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相続人の調べ方が分からない? 具体的な方法をご紹介

山田 武明 

筆者 山田 武明 

不動産キャリア23年

弊社は2024年7月に開業したばかりの小さな会社です。 
不動産業界で20年以上務めておりましたが、長年の夢でした独立開業いたしました。生まれ育った実家を改装しての開業です。
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相続が発生すると、誰が相続人なのかを正確に把握することが非常に重要です。相続人の特定は、遺産分割や相続税の申告など、相続手続きの基礎となる重要な作業です。しかし、相続人の調べ方や、自身が相続人になった場合の対応について、不安を感じる方も多いのではないでしょうか。本記事では、相続人の調べ方や相続人になった場合の対応について、分かりやすくご紹介します。

相続人とは何か

相続が発生すると、まず「相続人」という言葉を耳にすることが多いでしょう。相続人とは、被相続人(亡くなった方)の財産を受け継ぐ権利を持つ人のことを指します。では、具体的に誰が相続人になるのでしょうか。

法律で定められた相続人のことを「法定相続人」と呼びます。法定相続人は、被相続人との血縁関係や婚姻関係に基づいて決められています。主な法定相続人には、配偶者、子、父母、兄弟姉妹などが含まれます。

相続人には順位があり、上位の相続人がいる場合、下位の相続人は相続権を持ちません。例えば、子がいる場合、兄弟姉妹は相続人にはなりません。相続順位は以下の表のようになっています。

順位相続人備考
第1順位養子を含む
第2順位父母養父母を含む
第3順位兄弟姉妹異父母兄弟姉妹を含む

なお、配偶者は他の相続人と同順位で相続権を持ちます。つまり、配偶者は常に相続人となり、他の相続人と共に相続することになります。

相続人の存在は、相続手続きを進める上で非常に重要です。相続人全員の合意がなければ、遺産分割などの重要な決定を行うことができません。そのため、相続が発生した際には、まず相続人を正確に把握することが大切になります。

相続人の調査は、戸籍謄本の取得から始まります。被相続人の出生から死亡までの戸籍を順に調べていくことで、法定相続人を特定することができます。しかし、相続人の調査は複雑な場合もあり、専門家のサポートを受けることをおすすめします。

相続人の調べ方

相続が発生した際、まず行うべきことは相続人を特定することです。相続人の調べ方には、主に以下の3つの方法があります。

方法 特徴 注意点
戸籍謄本の取得 最も一般的な方法 時間と手間がかかる
相続関係説明図の作成 関係性が視覚的に分かりやすい 専門知識が必要
相続人探索サービスの活用 専門家による効率的な調査 費用が発生する

まず、戸籍謄本の取得方法についてご説明します。被相続人の本籍地の市区町村役場で、被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本を請求します。これにより、法定相続人を特定することができます。ただし、複数の市区町村にまたがる場合は、それぞれの役場で取得する必要があり、時間と手間がかかることがあります。

次に、相続関係説明図の作成手順です。戸籍謄本をもとに、被相続人を中心として、配偶者、子、親、兄弟姉妹などの関係を図示します。これにより、相続順位や相続分が視覚的に理解しやすくなります。ただし、複雑な家族関係の場合は、専門家のアドバイスを受けることをおすすめします。

最後に、相続人探索サービスの活用について触れておきます。行方不明の相続人がいる場合や、海外に居住している相続人がいる場合など、自力での調査が困難な場合に有効です。司法書士や行政書士などの専門家に依頼することで、効率的かつ確実に相続人を特定することができます。

相続人の調査は、相続手続きの基礎となる重要な作業です。正確に行うことで、後々のトラブルを防ぐことができます。不安な点がある場合は、早めに専門家に相談することをおすすめします。

相続人になった場合の対応

相続人であることが判明した場合、どのように対応すべきでしょうか。まず、相続の承認か放棄かを決断する必要があります。これは相続開始を知った日から3か月以内に行わなければなりません。

相続を承認する場合は、被相続人の財産と債務を全て引き継ぐことになります。一方、相続を放棄すると、相続財産に関する権利も義務も一切引き継がないことになります。この決断は慎重に行う必要があります。

次に、相続財産の調査を行います。これは重要な作業で、被相続人の資産と負債を正確に把握することが目的です。以下の表は、相続財産調査の主な対象を示しています。

資産の種類調査方法注意点
不動産登記簿謄本の取得共有名義や抵当権の有無を確認
預貯金金融機関への照会解約済み口座にも注意
有価証券証券会社への照会名義変更の手続きが必要

相続財産の調査が完了したら、遺産分割協議を進めます。これは相続人全員で話し合いを行い、相続財産の分割方法を決定する過程です。円滑な協議のためには、以下の点に注意が必要です。

まず、全ての相続人の意見を尊重し、公平な分割を心がけましょう。また、被相続人の遺志がある場合は、それを尊重することも大切です。さらに、不動産や事業用資産など、分割が難しい財産については、専門家のアドバイスを受けることをお勧めします。

遺産分割協議が難航する場合は、調停や審判などの法的手続きを検討することも選択肢の一つです。ただし、これらの手続きには時間と費用がかかるため、可能な限り話し合いでの解決を目指すことが望ましいでしょう。

相続人となった場合の対応は、法律的な知識と冷静な判断が求められます。不安な点がある場合は、弁護士や税理士などの専門家に相談することをお勧めします。適切な対応を取ることで、円滑な相続手続きを進めることができるでしょう。

相続人としての権利と義務

相続人になると、様々な権利と義務が発生します。これらを正しく理解し、適切に対応することが重要です。ここでは、相続人としての主な権利と義務について解説します。

まず、相続人の権利と義務を簡潔にまとめた表をご覧ください。

区分 内容 注意点
権利 遺産の取得、遺産分割請求 期限内に行使する必要あり
義務 相続財産の管理、債務の承継 適切な対応が求められる
その他 相続税の申告と納付 専門家への相談が推奨される

相続人には、相続財産を適切に管理する責任があります。これは、単に財産を保管するだけでなく、資産価値を維持・向上させる努力も含まれます。例えば、相続した不動産がある場合、適切な修繕や管理を行い、資産価値の低下を防ぐ必要があります。

また、被相続人の債務も相続の対象となります。相続人は、相続した財産の範囲内で債務を引き継ぐことになります。ただし、相続放棄や限定承認の手続きを行うことで、債務の承継を回避したり、限定したりすることも可能です。

相続人の重要な権利の一つに、遺産分割請求権があります。これは、他の相続人に対して遺産の分割を求める権利です。遺産分割協議が円滑に進まない場合、この権利を行使して家庭裁判所に調停や審判を申し立てることができます。ただし、遺産分割請求権には時効があるため、相続開始を知った時から5年以内に行使する必要があります。

相続人としての権利と義務を適切に果たすためには、相続財産の正確な把握と、法律や税務の専門知識が必要です。複雑な相続案件では、弁護士や税理士などの専門家に相談することをお勧めします。専門家のアドバイスを受けることで、相続に関する問題を円滑に解決し、将来のトラブルを防ぐことができるでしょう。

まとめ

相続人の調査と適切な対応は、円滑な相続手続きの要となります。戸籍謄本の取得や相続関係説明図の作成など、相続人を特定する方法を理解しておくことが大切です。また、相続人となった場合は、承認や放棄の選択、財産調査、遺産分割協議など、様々な手続きが必要となります。相続に関する権利と義務を正しく理解し、適切に対応することで、将来的なトラブルを防ぐことができます。相続の複雑さを考慮すると、専門家への相談も検討すべき選択肢といえるでしょう。

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